ジブンデザイン誕生秘話をご紹介 編集部コラム
チャレンジ!?単なる値下げか?ボランティア活動か?
そもそも、ブランディングと逆行する新プロジェクトとの葛藤。
そもそも、ブランディングと逆行する新プロジェクトとの葛藤。
皆さん初めまして。ジブンデザイン編集部です。初回の編集部コラムはジブンデザインの運営会社である『あめとつち株式会社』代表 龍輪のインタビュー。まずは先陣を切って、このプロジェクト発足のキッカケとなった“ジブンデザイン誕生秘話”を投稿します。この会社はというとグラフィックデザインでの表現やマーケティング観点での企画立案を軸に全国の経営者様へ向け「ビジネスとしてのデザイン活用」を様々なサービスとしてご提供しています。特にブランディング領域やブランド構築の分野では実績も多く、大企業から中小企業・小規模企業者といった幅広い業種業態で全国の皆様から沢山のご依頼をいただいています。そんな中、最近は弊社のような小規模企業者にあたる「零細企業の皆様」や「個人事業主の皆様」からも、ブランド支援のご相談を受ける機会が増えてきました。しかし、そんな中「そもそも、ご予算が少なすぎたり」事業計画が曖昧なため「準備期間が短く、納期が短すぎたり」と様々な経営課題がある中でご相談がきます。この様なケースでは残念ながら「ご要望にお応えできない」「お断りせざるを得ない」という状況でした。それでも、皆様のお話しを聞いていると「なんとかしてお手伝いできないものか」という個人的な気持ちと、そもそも、ご相談をお受けしたところで「ビジネスとして成り立たない」という経営者としての気持ちもあり、こんな日々の葛藤が続く中、私たちのような「零細企業の新規事業」には、難しいプロジェクトとなりました。
まずは、チャレンジ!「失敗は良いこと」との風潮。
それでも、零細企業にとっての「失敗」は「死活問題」となる。
それでも、零細企業にとっての「失敗」は「死活問題」となる。
何故、難しいプロジェクトなのか?その答えとして様々な要因が考えられます。まずは「ビジネスとして成り立つのか?」それとも、「ビジネスとして成り立たないのか?」この2つから考えました。何故なら、弊社も設立4年目のまだ若い会社であり、これまでお断りせざるを得なかった“皆様と同じ小規模企業者”ですので、ビジネスとして成り立たなかった場合や失敗した場合には、「その失敗が致命的となるから」です。
また、類似サービスや競合も多く、いわば「レッドオーシャン」の飽和状態というのがこの市場でした。しかし、それは逆に言えば「ニーズ志向」。そこにニーズがあるということ、そもそも消費者が求めているものであり、既に顕在化しているニーズを追求しながら、他社同様のサービスを売ることはとても簡単です。
ですので、“ただ単にやる”だけでも「売れる可能性も、ビジネスとして成り立つ可能性も」あり得るのです。また、最近では“失敗は良いこと”との先人の言葉を切り取ったような風潮もあり、「まずはチャレンジ!」失敗や課題はそれから考えれば良い!といった安易な考え方にもなりがちです。まぁ、実際にご要望が多く、「売れるサービスなら売価を下げて、皆様のご期待に広く添えること」で、お客様にも喜んでいただけますし、なかなかご予算が用意できないお客様にとっても、お仕事をお断りすることがなくなります。弊社としても“皆様を応援したい”そんなスタッフ達の声にも耳を傾け、「WinWinのプロジェクトとして誕生した」のが、この『ジブンデザインという新たなサービス』だったのです!? (いえいえ、こんな美談ではありません。。。)
そもそも、ブランディングは競争に入らないため
ビジネスとして成り立つかどうかは一概には言えないのですが、そもそも、弊社が最も得意領域としてきたブランディングは競争に入らないための活動。もっと言えば価格競争に陥らないための差別化・差異化戦略。なので、私たちのような会社がニーズがあるからと言って、安易に競争の激しい低価格帯のサービスに手を出してしまうと、後で会社や事業が窮地に陥ったときには、「しっぺ返しを喰らう」ということになり得ます。ビジネスは全てのニーズに応える必要はなく、他社がやっているからと安易な発想で値引き競争へ参入するのは危険です。何より、私たちはデザインという事業やデザイン会社としての誇りがあり、デザインというサービスを提供している以上、お客様のニーズ(需要による欲求)目的を補うのではなく、問題を解決するデザインという手段を使い「ウォンツ(望む・欲する)」により、顧客の心までを満たす必要があるのです。
敢えて、レッドオーシャンで!戦略的参入を決意
まずは、「ビジネスとして、成り立つのか?」この課題に対し市場を分析した結果、様々な勝算が見えてきた。また競合の多くは、クラウドソーシングサイト等を利用した「フリーランス向けのサービス」と「偶発的に価格競争が避けられず値下げ状態にある同業他社」そして、「テンプレートや既製品としてのデザイン販売サイト」および、「印刷会社などデザインを付随サービスとしている会社」がニーズの受け皿となっている。いずれもクオリティーに欠けるものが多い。ただし、レッドオーシャンでは品質が良いからといって売れるというものではないが、他社が真似をできない戦い方でも“ジブンデザイン”は良質なサービスを提供できる。
企業理念やモノづくりの志に立ち返ることが鉄則
なによりも、弊社のお客様はブランディング領域でのご依頼が多いこともあり、この低価格帯サービスには当然ながら抵抗もあり、立ち上げた“ジブンデザイン”は相反するようなサービスの打ち出し方となりました。しかし、現在は未曾有のコロナ渦ということもあり、お困りのお客様も非常に多く、現場に立ちながら声を聞いていると“ご予算が用意できないお客様”にとっても、“皆様を応援したい”スタッフ達にとっても、「WinWinのプロジェクト」これは美談ではなく、真剣に向かい合う必要があると感じました。
会社の理念でもあり、Ame to Tsuchi, Inc.のブランド・アイデンティティ(ブランドが目指すべき姿、共有された価値)を思い起こせば、「より、上質な佇まいをつくる。これが私たちの仕事。」と宣言しながら、今でもこの想いを“ブランド戦略の羅針盤”として活動を続けています。また、モノづくり、職人としての志、「デザインは未来を動かす」と言い続けた結果、社内・社外メンバー共に多くのお客様にご賛同いただき、今に至ります。なにより、ブランド構築の分野では負けないチームと「いつでも、目一杯たのしむ。」として、始動した会社です。“ジブンデザイン”では、「まずは、⾒た⽬。」デザイン本来の醍醐味をご提供いたします。