まずは、見た目。

会社法人を設立するなど、起業自体は必要な手続きを済ませれば誰でもできることです。しかし、実際に事業を軌道に乗せてスモールビジネスを成功させることは簡単ではありません。起業をしても思うよう成果を挙げられずに廃業したり、活動を停止したりする経営者は少なくないものです。それにはいろいろな原因がありますが、起業に当たって十分な準備をしていなかったり、しっかりとした手順を踏んでいなかったりすることが大きいでしょう。そこで、デザイン経営の原則を押さえ、スモールビジネスをスムーズに進めましょう。

まず、自分がどうして起業したいのかを考えることが大事です。お金を稼ぐだけであれば、会社員として働いている方が安定した収入を得られることもありますし、責任が少なくて済みます。しかし、自分の能力やアイディアを活かすためには、自由に仕事ができる起業という手段が適していると考えるかもしれません。そして、より大きな収入を得ることや、自分のブランドを立ち上げたいという目標を持っている人もいることでしょう。どのような目的にしても、しっかりとした思いで起業をすることが成功の秘訣です。デザイン経営は「感動」をキーワードとして事業を考えますが、スモールビジネスでも経営者自身が持つ想いや、情熱がとても重要になってきます。

さらに、事業で何を行うか明確にしておきましょう。何を売るかハッキリ事業計画にしておくと成功への可能性もグッと高まります。たとえスモールビジネスだとしても、実際のサービスや商品を提供するための体制やネットワークは必要です。仕入れ先なども前もって考えておきながら、事業のすべての分野で物事がスムーズに進むように準備をしましょう。

起業後の事業がスモールビジネスだとしても、顧客層をどこに置くのかは、じっくりと検討すべきことです。多くの場合「何をどこで売るのか」についてはよく考えているのですが「誰をメインターゲットとするのか？」という大事な観点が抜けていることがあります。そのターゲットによっては「価格設定や店舗の場所、商品パッケージのデザイン」など、マーケティング戦略は大きく変わってきます。ですので、ターゲティングが上手くできていないと、いくら良い商品であったとしても購入者が増えず、スタートからつまづいてしまうリスクがあります。また、ターゲット層を見誤ると、起業時に決める店舗の立地やブランド名、宣伝などの決定に影響が出て、せっかく始めたスモールビジネスも無駄な資金の投入につながります。このような場合、デザイン経営ではユーザーの心情分析がニーズの把握につながるという考えを持ちますので、ここはスモールビジネスであっても絶対に欠かせないポイントです。

また、スモールビジネスを行う業態についても、事前によくリサーチをして、じっくりと決めましょう。たとえば、何かの商品を売るという事業の場合、多くのジャンルで実店舗を構えなくてもオンラインでの運営ができるようになってきているためスモールビジネスがより有利な状況となりました。もちろん、実店舗経営にもメリットがあり、どちらが良いかはそれぞれの戦略によって変わってくるものです。実店舗を展開するにしても、マーケティングや販売などの目的で、オンラインサービスを活用することは欠かせない状況となっています。どちらにしても、少なくともスタートアップしたばかりのころは、労力や資金面で、両方とも強く推し進めるのは難しいものがあります。そのため、スモールビジネスはスタートアップにとっても有効手段だと考えますが、事業計画を決める段階で最初はリアルかオンラインどちらに比重を置いて事業を伸ばしていくのかを考えることが大事です。このように限られた予算を重点的に用いることで、より効率の良い経営ができるわけですから、メインターゲットがいる場所を想定してから的を絞った営業をすることが大事なのです。