応対力を向上させる人“SACHIKO TAKEUCHI”
現在の活動を教えてください!
現在はコールセンターで働くスタッフに対して教育支援を行っています。クレームやお断りなどの研修、現場に伺っての個別指導、実際のお客様との応対音声を聞き、点数化して組織の応対力を計測しレポートにまとめ報告することなどが主な活動です。またセンターを良くしていくためには指導者の存在が欠かせないことから指導者支援にも注力しています。創業当初から「魚を与えるのではなく、釣り方を教えよ」という格言が指導者としての根底にあり、指導者を増やしたい、という想いをずっと持ち続けていました。そして、個人向けの公開講座である「応対指導塾」を今年の5月から始動することとなりました。この応対指導塾は、オンライン実施のため「全国からご参加いただけます」ので、今現在はその準備に追われています。
現在の仕事についた経緯は?
26歳で結婚、直後に夫が失業してしまい「バリバリと働くお嫁様」になりました。最初は派遣スタッフとして事務職で働いていたんですが、私のお給料だけではとても足りず、「手に職をつけたい」と思ったんです。何か良い仕事はないか探しているときに「研修講師」という仕事を知りました。「年を重ねるほどに熟練し一生続けられる仕事、これだ!」と思って飛びつきました。しかしながら、未経験で雇ってくれるところはありません。それでもあきらめきれず講師養成講座に通いながら待ち続け、未経験でも育ててくれるところに1年後採用が決まりました。その会社はコールセンター業をしていて、それがコールセンターとの運命の出逢いです。コールセンターで働き、中のことを知り、社内教育担当者の経験を積んだ後に、社外の研修を担当する部署へ異動になり経験を積み転職。独立という流れを経て、現在に至ります。
最も嬉しかったこと、最も苦労したこと。
最も嬉しかったことは、あるクライアントのセンター長から「Aさんがあんなに変わるとは思わなかった。再生させてくれてありがとう」という一言です。Aさんは50代のベテラン女性でセンターそのものを牛耳る影の支配者のような存在で、このプロジェクトに協力してくれるような人ではありませんでした。でも、私はセンター長を説得し、このAさんをプロジェクトリーダーに任命しました。
このプロジェクトは「選ばれたメンバー」です。自分が一番、センターを知っているのに「報われない」という想いから影口を言われて抵抗勢力になるよりは「Aさんのチカラを存分にお借りしたいと思ったんです!」そして、事あるごとにAさんに相談しながら進め、頼れるリーダーとして見事なリーダーシップを発揮してくれました。「プロジェクトは大成功!」センター長からも感謝されました。まぁ、そこに辿り着くまでのプロセスでは、いろいろあったのですが、ありすぎて忘れてしまいました!
最も苦労したことは自分の取り扱いです。「研修講師になりたい」という夢をかなえるために念願叶って入った転職先では、損害保険会社の事故受付センターに配属され、お客様を怒らせる名人になりました。教育担当になればメンバーの人格に触れるような言葉を伝え1年間無視される始末です。応対者としても、指導者としても、先が見えない時間を過ごしました。当時の上司は鬼軍曹みたいに厳しくもデキる女性で愛あるご指導をいただき、今の「私」を形作っています。あっ、良いこともありました!電話応対の甲子園と呼ばれている全国大会に出場し「優秀賞」をいただきました。これは非常に自信がつきましたね。がむしゃらに様々ことを学びながら、「苦労は買ってもでもせよ!」の時間を過ごしました。
ジブンで大切にしていることは?
「学ぶ楽しさ」を伝えること。「できるようにする」こと。研修中できなかったことが「できる」ようになったとき参加者の人は飛び切りの良い表情になるんです。プチ成功体験が味わえれば職場で試してくれるようになり、それがお客様からの感謝を生み出していく。そのキッカケづくりをしたいと思ってます。
そして、「想いをカタチ」にすること。研修したいと言っても、その背景はクライアントによりまちまちです。何のためにしたいのか、今どうなのか、少し先の未来はどうなりたいのか、その想いをトコトン聞くことを大切にしています。
ジブンを上手に伝える秘訣は?
ずばり、「言行一致」です。「言っていること」と「やっていること」を一緒にすること。これが大事なんです!お客様はよく見ています。人間関係を築き長期的に継続的なお付き合いをするためには、等身大プラスちょっと盛ぐらいで、アジャストしていくことが、ジブンを上手に伝える秘訣かなぁと思います。
ジブンにとって魅力のある人とは?
ガハガハとうるさいけど実は知的など、ギャップのある人に魅力を感じます。あと、無条件に子供を愛する「全世界のお母さん!」、「言いたいのをグッと我慢し見守る指導者」、「他人の評価を気にせず自分の世界を発信している人」、「ジブンの限界を超えようと努力を続けやり切った人」など、その姿は美しく惹かれます。
最後に今後の展望を教えて!
いまはコロナ禍となり、「ジブンのやりたいことをやっていく」という境地になりました。組織に属しながらも、「個のチカラを強化していく」そんな時代になります。この『応対指導塾』では、私にとっても、参加者にとっても、「将来のジブンを育む場に」していきたいと思っています。オンラインでの仕事も増え、今後は「移住もいいかなぁ」なんて、企んでいるところです。